【ツキノワプロジェクトのすごいところ②】

【ツキノワプロジェクトのすごいところ】
②販路を開拓し、加工・販売までワンストップで行うことで、生産物を本来あるべき価格(市場の2倍以上)で買い取ることが可能です。

現在、一般的な流通の生乳は、1リットル130円前後で買取りが行われています。
グラスフェッドの生乳は、味はとても良いのですが、乳脂肪等の成分が基準に満たないことが多いため、買取価格にペナルティが課され、安くなります。

牛乳の全量買取りシステムは、とても良い制度だと思います。
牛乳の生産量の調整は、すぐにできないからです。
また、販売を考えなくて良いので、生産に集中できます。
市場で極端に牛乳が余らない限り生産調整は行われないため、基本的に酪農家は搾れば搾るほど売上が上がります。
なので、如何に効率良く乳量を増やすか、を考えて飼養すれば、利益が最大化します。

ただ、グラスフェッドミルク等のイレギュラーを許容できません。
混ぜてしまうと、全体としてはデメリットでしかないからです。

であれば、グラスフェッドミルクのみの流通システムを別に作ったら良いのでは?と思うかもしれません。
その通りなのですが、土地、乳量、流通、規模、資本等、とても多くの問題があるため、既存の大手乳業会社にはそれはできません。
(これらの問題につきましては、また別で記事にします。)

なので、ツキノワファームと、ツキノワプロジェクトがゼロからそれをやります。
グラスフェッドの極小規模牧場を全国に沢山作り、牧場のサポートから、加工・販売までをワンストップで担います。

効率が悪いのではないかと思われると思います。
その通りです。
規模の経済の真逆です。
でも、極小規模牧場にすることで、効率が良いことも結構あるのです。
例えば、牛は人が利用しなくなった荒廃農地と放置林の草だけ食べて牛乳や肉を生産します。
これは、とてもすごいことだと思いませんか?
利用価値無しの土地から生産するので、それ自体がとても効率的です。
草地面積に応じた適正頭数の飼養で、利用価値のなかった土地が半永久的に利用可能となります。
これら土地は点在してますので、1ヶ所を大きくはできないのですが、大きくないので初期費用はほとんどかかりません。
初期費用がかからないので返済の必要が無く、返済のために沢山搾る必要がありません。
しかも、放牧しているので労力はほとんどかかりません。
餌もあげなくていい、糞尿の処理もいらない、病気も少ない、搾乳も1日1回でいい。
それは、とても効率的です。
規模が小さいがゆえ、投資や経費、労働力を最小限に抑えることができます。

なので効率の悪さと良さが相殺されて、結果、思ったほど効率が悪いわけではないのです。
とはいえ、効率が悪いのは間違いありませんので、その分はやはり価格に転嫁せざるを得ません。
ただし、僕はその価格がむしろ適正価格だと思います。

乳量でいえば、現在の日本市場の1%を目指します。
1%の方がエシカルな乳製品を買いたいと思ってくれれば、このプロジェクトは成り立ちます。
1%が多いか少ないかは、どこを見るかで変わってきます。
ひとつのプロジェクトが日本の1%の乳量を賄うと考えると、多いと思います。
一方、それだけで日本の畜産が変わったと言えるかと言われれば、そうも言えないでしょう。
しかし、牧場の数で言えば本州以南の20%程度となります。(北海道では既に放牧が積極的に取り入れられつつありますので、ツキノワプロジェクトでは北海道に進出する予定は今のところありません。)
これはとても多いと思います。
車で田舎道を走らせれば、至る所に放牧された牛を見ることになるでしょう。

ツキノワプロジェクトが目指すのは、日本の牛乳生産量の維持ではなく、持続可能でエシカルな畜産という選択肢の確立です。
現行の畜産と並び、新たな畜産を提案すること。
現行の畜産農家にとっても、これからの選択肢のひとつになると思います。
それは、牛を命として扱い、生産者も幸せで、消費者も嬉しい畜産です。

乳量で1%、本州以南で牧場の数が20%
まずはこれが出来れば、ツキノワプロジェクトの目指すところ=「別の選択肢の確立」は達成されたと言えるのではないでしょうか。
願わくば、これが大きなうねりとなり、日本の畜産のスタンダードになってくれたら、それほど嬉しいことはありません。

【牛の頭数と、牧草地面積】
北海道130万頭 50万ha
本州以南260万頭 50万ha
ツキノワプロジェクト(目標) 7万頭4万ha

【畜産農家の数】
肉牛36000 北海道3000 本州以南 33000
酪農9600 北海道4800 本州以南4800
ツキノワプロジェクト(目標)肉牛 10000 乳牛(複合)5000

牛乳生産量の維持を考えないとすれば、日本の畜産がグラスフェッドに移行すると、牛乳が足りなくなります。
その点に付いては、とても根深い問題なので少し長くなりますが、大切な事なので言及します。

結論を先に述べますと、
「日本の国土で生産できる乳や牛肉の量は限られているので、その限られた生産量では今の価格や消費量を維持するのは不可能です。」となります。

田畑に出来るところは田畑にするべきだと思います。
その方が効率がいいからです。
牛を育てるのは、全く使ってない土地だから、意味があるのであって、田畑に比べると面積あたりの効率が非常に悪い。(それでも使えない土地が使えるようになるのはすごいことです。)
それで、持続可能な形で牛を飼おうとすると、牧草地にしかできない土地で飼うことになりますが、その土地の広さに応じた頭数しか飼えません。
穀物飼料を与えなければ、乳量も減りますので、現在の生産量の維持はできないのです。
需要と供給のバランスで、生産量が減れば自然と価格が上がり、消費量が落ち着きます。
問題は国外から入ってくる乳製品や肉製品ですが
味の優位性や、日本の国土を守るという意義であったり、安心・安全というメリットは計り知れませんので、程よいバランスとなっていくと思います。

現行の畜産は間違いの上に成り立っており、それで今の生産量を維持できているだけですので、その間違いを正し、正しく生産された食品を適量いただくということです。
とても普通のことだと思います。

おそらく、牛乳の生産量が減ったら減ったで、やっていけます。
例えば、全生産量の10%を必要とする学校給食の牛乳ですが、これが必須だと、一体どれ程の人が考えているのでしょうか?
普通にご飯には合わないと誰もが感じています。
パンには合うけれど、そんなに毎日飲まなきゃいけないものでもない。
学校給食の牛乳が無くなれば、そこで習慣化が起こりませんので、全体の消費量にも影響を与えていき、牛乳の市場価格は落ち着いていきます。

畜産における間違いとは、輸入穀物飼料の多給による、土地に依存しない飼養方法です。
(この生産物を「国産」と呼んでいることにも疑問を感じます。この現行の飼養方法については、また別の記事で深掘りします。)
これは国策ですが、この国策を誘導したのはアメリカです。日本の給食にパンと牛乳を導入したのもアメリカ主導ですね。
小麦や穀物飼料を売りたいので、働きかけたのですね。
その結果、土地が分解できる量を優に超えた糞尿による土壌や河川の汚染、機械のように働き続ける生産者達、命として扱われない牛達が生まれました。
そうは言っても、それで良い時もあったんだと思います。でも、時代は変わりました。もう、そんな生産方法は時代遅れだと、消費者が気付き始めています。畜産関係者も、夢と希望で胸がいっぱいの若者も、今の畜産が間違っていると気付いています。

現行の畜産の飼養方法を正すというアプローチは様々な理由から不可能に近いです。(これについても別記事で。)
なので、現行の畜産と並行して、新たな畜産を作っていく必要があるのです。

価格の話しは少し複雑なので、長くなりました。かなり脱線した気もしますが、まとめますと、グラスフェッドの生産物を市場より高値で買い取ることで、参画する牧場主の利益を確保します、ということです。

(ちなみに、グラスフェッドビーフは赤肉のイメージで間違いありませんが、和牛はグラスフェッドで飼養しても、草地に力があれば霜降りになります。あの霜降りの原因は、ほとんどが飼養方法ではなく、遺伝です。霜降りが好きな人は霜降りも食べられます。付きすぎた脂は捨てられますので、エシカル度は劣りますが。)

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この記事を書いた人

ツキノワプロジェクトの代表

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